高齢になってもおしゃれをすることは、気持ちを前向きにするだけではなく、心身ともに健康に過ごすために大切なものです。身だしなみが整うと外出意欲も向上し、周囲の人との関わる機会も増え、生きがいも生まれます。心の健康を維持・向上することができれば、健康長寿や認知症予防への効果も期待できるでしょう。
今回はおしゃれが高齢者にもたらすメリットについてご紹介いたします。
おしゃれがもたらすメリット
男女関係なくおしゃれや身だしなみに興味を持つことは、自信や喜びとなり、高齢になっても自身のメンタルヘルスに影響を与えます。
高齢や要介護者になったときに、多くの方があきらめてしまうのが「おしゃれをする」ことです。
高齢になって家にこもりがちになると、身なりやおしゃれに対する興味が薄れてしまいます。するとより外出機会が減り、人や社会とのかかわりや交流から遠ざかってしまいます。
逆に言うと、外出をすると身なりに気を配るようになり、おしゃれをすれば外出したいという意欲もわきます。外出が増えれば人や社会との関わりが増え、生活に「はりあい」を持たせることができます。認知症予防や日常機能の維持向上にもなるので、おしゃれをするということは高齢者にとっても様々な影響を与えます。
また、自身や他人のおしゃれや流行に対して関心の高い高齢者は、関心の低い高齢者と比較して、積極的に町内会活動やボランティア活動などの社会活動に参加している方が多く、活動能力も高く、メンタルヘルスも良好で、人生に対する生きがい感が高いという研究結果もあるようです。
おしゃれに対する興味や関心は必ず持つべきというものではありませんが、身だしなみや服装などに気を配り外見の印象が少しでも変わることで、心にも変化が生まれます。このような変化をきっかけに、自己認識を見直したり自己評価が高まることで新しいものへの興味や意欲へとつながることになるのです。
そして、もっとも簡単にできるおしゃれは身だしなみです。女性であれば、ネイルやお化粧、髪を結ったり、男性でも髪の毛やひげを整えたり、帽子や時計などのファッション小物をひとつ身に着けるだけでも気分は変わります。
髪型が決まったり、化粧のノリが良かったときにはそれだけで気分が上がったり、外出先や天気によってコーディネートも気持ちも様々に変化します。おしゃれが心理に与える影響はかなり大きいのです。
まとめ
高齢者にとっておしゃれや化粧に関心を持つことは、心身ともに健康に過ごすために大切なものです。いつもは選ばないタイプの服や小物を1つ買って身に着けてみる、髪型を少し変えてみる、口紅を引くなど、気軽におしゃれやお化粧を楽しんでみてはいかがでしょうか。
おしゃれをして外出をして人に見られるという環境を自らつくることによって、心も身体も元気に健康になりましょう。