2022年7月29日

年金受取額で入れる老人ホームとは?難しい場合はどうしたらいい?

だんだんと老いてきた一人暮らしの親が心配で、老人ホームに入居させたいけれど費用を「どうしようか」という声をよく耳にします。入居されるご本人やご家族への負担を考えるとなるべく年金だけで入居したいと思いますよね。今回は老人ホームにご家族が入居を考えている方や、これから将来に向けて老後資金を把握しておきたい方のために、年金支給額で老人ホームに入居できるかどうかや、経済的な負担を減らすための制度もいくつかありますので、対処法も含めてご紹介します。

老人

まずは年金額がいくらか把握しよう

毎月の年金受取額を知らないと、入居可能な施設を探すこともできません。年金額は収めた保険料などにより給付額が変わってきます。また、厚生年金か国民年金かでも異なります。

【月額の年金受取額の目安】
厚生年金(会社員や公務員など)約145,5000円
国民年金(自営業や専業主婦など)約56,000円

参照:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」

まだ年金をもらっていない方は、日本年金機構のホームページで将来の年金見込み額を試算できます。
参照:日本年金機構 ねんきんネット『かんたん試算』

老人ホームの相場っていくら?

老人ホームと一言で言っても種類があります。大きく分けると、国や自治体が出資して運営をする『公的施設』と、民間企業が運営する『民間施設』に分けられます。

施設名称運営入居費月額利用料
介護付き有料老人ホーム民間数十万円~億単位数十万円~億単位
住宅型有料老人ホーム民間数十万円~数千万単位約10万円~約30万円
サービス付き高齢者向け住宅民間30万円前後20万円前後
グループホーム民間数十万円~数千万単位 約10万円~約30万円
ケアハウス公的約10万円~約100万円単位約10万円~20万円前後
特別養護老人ホーム公的無料無料~10万円前後
介護老人保健施設公的無料無料~10万円前後
介護療養型医療施設公的無料無料~10万円前後

公的施設は民間施設よりも費用が安く、厚生年金であれば年金だけで入居できる可能性はあります。ただし、競争率もその分高くなっていますので、入居できない場合が当然ありますので年金だけで老人ホームに入居するのはまず難しいと言えます。

年金だけで入居できない場合の対処法

老人ホームを利用することによって、月あたりの生活費を年金支給額内に抑えることは現実的には厳しいでしょう。しかし、定年退職後は年金支給額だけで生活していかなければなりません。ここでは、年金だけで老人ホームに入居できない場合の対処法をご紹介します。

生活保護を利用する

年金を受給している場合でも、生活に困窮していると承認されると生活保護を受けることができます。また、生活保護法による指定を受けている施設であれば入居が可能です。入居を希望する場合は、市区町村の窓口などで対象となる施設を紹介してもらいましょう。

<入居に関する相談窓口>
・市区町村の生活支援担当窓口
・ケースワーカー
・ケアマネジャー

自己負担を軽減する制度を利用する

介護に関連する自己負担を軽減する制度も用意されています。生活保護支給の対象にはならないという世帯でも制度を活用することで費用の負担を抑えられます。

高額介護サービス費
介護にかかる費用の支払いに月額上限額を設けることができ、それを上回る請求分が返金される制度です。高額介護サービス費の支給を希望する場合は、管轄する役所への申請が必要です。

特定入所者介護サービス費
一定の所得以下の方が介護施設を利用する際、食費や居住費の減額を受けられる制度です。

詳しくはこちらをご覧ください>>厚生労働省「介護保険の解説」

在宅介護サービスを利用する

在宅のまま介護を受ければ、前述した軽減制度を活用するなどの節約を行うことで、予算内で質の高い介護を受けられる可能性が高まります。居住費は据え置きであり、これまでの生活を崩さずに済む点もメリットです。

介護

最後に

いかがでしたでしょうか。
年金だけで老人ホームに入居するのは競争率が高く、現実的に厳しいでしょう。行政の制度や介護サービスをうまく取り入れ、費用面・サービス面をよく考慮して、ご家族やケアマネジャーと相談されることをオススメします。 なお、ヤマダ不動産でも、老人ホーム探しのお手伝いを致します。是非、ご連絡ください。お待ちしております。

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