2023年5月22日

老後でも働ける仕事って?

人生100年時代と言われる昨今、アクティブなシニアが活躍する場が広がっています。
定年退職し、悠々自適な生活を送るのも悪くはありませんが、収入ややりがいを求めて再就職したいと願う人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は老後の再就職で気を付けておきたい点や人気の仕事をご紹介します。

高齢者

老後に必要な資金とは?

2019年6月、金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書「高齢社会における資産形成・管理」が公表されてから、「老後資金が2,000万円不足する」と話題になりました。
しかし、老後は公的年金だけでは生活できないのは、今に始まったことではありません。
「2,000万円」という数字は、「老後に1,300万円~2,000万円」不足するという報告書の内容を切り取ったもので、この不足額は、無職高齢夫婦世帯の家計収支が平均約5万円の赤字という現状をもとに、貯蓄を切り崩しながら20~30年生きると仮定して計算したものです。
しかし家計の収支は個人差が大きく、いつまで生きるかもわからないため、老後に必要な蓄えを「2,895万円」とする経済産業省の試算もあります。

2,000万円という数字自体はあまり重要ではありませんが、年金以外の収入や貯蓄の確保が重要であることは間違いありません。

老後に再就職する3パターン

年金が減って、貯蓄も少なく、生活に不安がある。…となれば、定年後も働くほかありません。
一度定年退職した後に再就職するためには、大きく分けて3つのパターンがあります。

同じ会社で再就職!再雇用制度

定年後、これまでとは違う会社に再就職する人も一定数いますが、現役時代に勤務していた会社の「再雇用制度」を利用し、慣れた環境の中で勤務を続ける人が多いようです。
「再雇用制度」は、定年した後も引き続き雇用する「継続雇用制度」の代表的なもの。定年時にいったん退職した形をとり、定年後に新たに雇用契約を結ぶものです。会社によって異なりますが、「給与水準が下がる」「単年での契約が結ばれる」などのケースが多いようです。

定年が伸びる!勤務延長制度

上記で解説した再雇用制度は、定年時に一度労働者は退職となりますが、勤務延長制度の場合は退職ではなく、継続して雇用されるというもの。つまり、これまで60歳であった定年が、65歳に設定されるものです。

新しい会社での再就職

再雇用制度や勤務延長制度が無い場合は、別の会社への再就職になります。60歳を過ぎて再就職は難しい…と思われるかもしれませんが、最近は働き口も増えています。
人材不足が叫ばれる昨今、企業は何とかして労働力を確保したいと考えています。そこで以前よりも、定年後の人材に目が向いてます。

老後でもできる仕事4選

老後の仕事は当然選択肢が限られますが、それまでの経験やキャリアを活かせる仕事もあります。
ここでは、老後でもできる仕事を4つ紹介します。

マンションや寮の管理業

数時間勤務の所もあれば、住み込みのマンションの管理人などあります。住み込みの場合は、家賃はもちろん光熱費もかからないことが多く、老後も賃貸住宅に住み続ける予定の人にとってはメリットが大きいでしょう。仕事内容は、共用部の管理や清掃などです。業務のない時間は基本的に自室で自由に過ごせますが、拘束時間は長く、職場と住居が同じであることにストレスを感じるかもしれません。長期の旅行など趣味を楽しみながら働きたい人には、あまり向かない場合もあります。

ウェブメディアのライター

ウェブメディアのライターも、シニア世代でもできる仕事の1つです。在宅で仕事ができ、専門性が高ければ、比較的高い報酬も期待できます。文章を書くのが好きな人や、資格を持っている人におすすめです!

コンサルタント・アドバイザー

これまでの経験や知識、技術などを活かして、コンサルタントやアドバイザーとして活躍する道もあります。コンサルタントやアドバイザーとして収入を得るには、それまでのキャリアや専門性、人脈などが重要なので、退職後に一から始めるには難しいでしょう。将来を見据えて、現役のうちにキャリアを積んで、人脈を築いておきたいですね。金融や不動産などに携わってきた人であれば、お金に関する相談に幅広く応じるファイナンシャルプランナーなどの選択肢もあります。

塾や習い事の講師

教えることや子どもが好きな人は、学習塾の講師もおすすめです。講師の役割はただ勉強を教えるだけでなく、勉強への取り組み方や意識を変えるという部分も大きいため、人生経験豊富なシニアに向いているかもしれません!

上記以外にもタクシー運転手や家事代行、飲食業や事務作業も定年退職後のシニアに人気の仕事です。

老後の就職先を見つける3つの方法

では、どうやって就職先を見つければ良いのでしょうか?

方法1,中高年向けの求人サイトを使用する
方法2,転職エージェントに登録する
方法3,知人に紹介してもらう

老後も仕事を続けるなら今のうちからキャリアプランを立てておきましょう!
他の業種や職種への再就職も視野に入れ、40代・50代のころからキャリアの棚卸しを行い、自律的なキャリアを築く準備をしておくことが大切です。

シニア

まとめ

今、日本の男性の健康寿命は81歳、女性は87歳と言われます。

定年してからの20年以上、どのように過ごすかはその人の自由。しかし年金に不安がある中で、ただ趣味や旅行などに時間を費やしてしまうのは勿体ないですし、何より資金的な問題も出てくるかもしれません。

であれば、これまでの数十年で培ってきた経験や知識、スキルなどを仕事に活かすのも選択肢のひとつ。仕事を通じて社会の役に立つこと、誰かに喜んでもらうことは、やりがいにもつながるのではないでしょうか。