2022年8月31日

シニア世代向けの貸付制度「リバースモーゲージ」とは?

近年、医療技術の発展によって、平均寿命が更新されつつあり、喜ばしいことに長生きする方が多くなりました。その反面、お金の心配をされる方が増えているというのも現実問題としてあります。そこで、今回は老後の資金捻出方法の一つ「リバースモーゲージ」についてご紹介したいと思います。必要にならない場合もあるかと思いますが、お金が必要となった時のために一緒に勉強していきましょう!
シニア世代

リバースモーゲージとは

自宅を担保に生活資金を借りる事ができ、そして、担保にした自宅には継続して住み続けることができます。借入人が死亡したときは、担保となっていた自宅を処分をするか、借入金を一括返済する仕組みとなっています。

メリット

・毎月の支払いは利息のみなので、老後生活中の支出を減らすことができます。
・元金の返済は、借入人が死亡した際に現金一括または、自宅の売却のいずれかを選べます。
・住宅や土地を担保にして、自宅に住み続けながら生活資金の借入れができます。

デメリット

持ち家または土地に価値がつかないのであれば、融資が受けられないこともあります。
・長生きすればするほど、一番初めに設定された融資額まで使ってしまう可能性があります。
・生きている間に住宅価格が下落し、融資限度額を割り込んでしまうと、一括返済を求められる場合があります。
・ほとんどの金融機関では変動金利のみなので、毎月の返済時に変動が生じます。
年齢制限があります。

どこで取り扱っているの?

民間の金融機関が扱っているものと、各都道府県の社会福祉協議会が扱っています。
取り扱い先が金融機関か自治体かで、資金用途が限定される場合や条件等がありますので、十分に理解してから利用しましょう

どんな人に向いてる?

55歳以上など年齢制限を設けている場合が多いので、シニアの方向け。
自宅に愛着があって、どうしても所有権を手放したくない方。
自宅を相続する人がいない方。

住宅ローンとリバースモーゲージの違い

住宅ローン

最初に総金額を借入れて、数年もしくは十数年かけて月々分割して返済していくのが住宅ローンです。返済額の中には、元金と利息が含まれます。借入金ですので、月々の分割返済により最初に借りたお金は減っていきます。

リバースモーゲージ

自宅を担保に生活資金を借りることができ、返済額は毎月利息のみを支払うという仕組みです。この毎月支払うのが「利息のみ」というのがリバースモーゲージの特徴といえます。契約者本人が他界した後は、借り入れた分の残高がある場合は「自宅の売却」もしくは「相続人による現金返済」となります。
住宅

注意点

リバースモーゲージは注意点もあります。見ていきましょう。

・自宅を売却ではないため、固定資産税は掛かります。
・利用できる物件のエリアに制限がある場合が多いです。
・取り扱っている金融機関ではほとんどが変動金利としているため、月々の利息返済額が変わりやすいです。(返済額が増えれば家計を圧迫するリスクがあります。)
・担保となる不動産価値の動向によっては途中での返済が必要になる可能性があります。
・都心部のマンションはリバースモーゲージに適用できる場合もありますが、本来、担保とされるのは土地の評価額がメインとなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
資金の用途を限定されることもありますが、老人ホームの入居一時金、自宅のリフォーム費用、住宅ローンの残債の支払いや子どもへの生前贈与にも使える場合もあります。取り扱い先によっては「メリット」「デメリット」がありますが、うまく利用できれば、老後の生活資金に余裕が生まれる可能性があります。
制度内容を理解して、有効に活用してみてはいかがでしょうか。