2021年7月15日

賃貸物件での火災保険の補償内容とは?

賃貸契約の際に必ず加入を求められる火災保険。いざといいう時には必要な保険だけれども、内容も分からず言われるがままに契約、なんて方はいらっしゃいませんか?そんな方のために、今回は火災保険の加入の目的や種類についてご紹介します。

火災

そもそも火災保険とは?

火災などで借りている部屋に損害を与えてしまった場合、原状回復にかかる費用(大家さんに対する賠償責任)の補償と、自分の家財を補償するための保険が火災保険となります。では、火災保険について詳しくみていきましょう。

隣室から出火しても賠償請求できない!?

隣近所から出火して、自身の家・部屋に延焼してしまっても、火元の家に損害賠償を求めることはできないという失火責任法という法律があります。「重大な過失がない場合の失火については、損害賠償請求できない」というものです。しかし「コンロの火をつけっぱなしにする」「タバコの火を消し忘れる」などの重大な過失が原因となって失火し、住宅が焼損した場合は損害賠償請求を火元の家へ請求できる場合があります。

火災保険の対象とは?

火災保険の対象となるのは、「家財」「建物」の2つとなります。
ここでの家財とは、借主のベッドやタンスといった家具類や冷蔵庫・テレビなどの家電製品、衣類といった賃貸の建物内にある生活用品に関するもので、借主が加入するのは「家財」の保険となります。そして、一方、「建物」は、所有している大家さんが加入する建物対象の火災保険となっています。

火災保険の種類

では、ここでは借主が加入する火災保険の具体的な種類を見ていきましょう。

家財保険

文字通り、自身の所有する家電、家具など生活用品のすべてに対してかける火災保険を「家財保険」と言います。契約される保険会社によっては、オプションで火災以外の「水災・風災・雪災・ひょう災・落雷・破裂・水濡れ・盗難被害で生じる破壊・汚損」などの損害を補償を受けることができます。

借家人賠償責任保険

この保険は、大家さんから損害賠償請求を受けた時の備えとなる保険となります。先に説明したように、重大な過失が無い場合、隣家から「損害賠償請求」を受けることはありません。しかし、大家さんに対しては例外となってきます。賃貸契約をするとき、基本的には「借りたときと同じ状態で返すこと」が契約条件に入っているため、大家さんに対して賠償責任を負うことになります。

個人賠償責任保険

この保険は火事での補償をするわけではなく、日常生活のトラブルに対する保険です。例えば、水漏れで階下の部屋に損害を与えた場合や飼い犬が他人に飛びついてケガをさせてしまった場合にも補償金の支払い対象となります。

近隣住民

まとめ

いかがでしたでしょうか?
火災保険はあくまでも自分の家財を守るための保険です。隣室や隣家からのもらい火で自分の家財が被害に遭っても、その失火者に損害賠償請求することができません。自分の家財が被害に遭った場合は、ご自身が加入している保険で賄うことになります。自身が失火はもちろん、ほかの住民による失火から大切な資産を守るために、賃貸物件を契約する際に加入する火災保険の補償内容をしっかり確認した上で加入して下さいね!