2025年5月29日

料理で脳を活性化!効果的な食事方法で、今からできる認知症予防

認知症とは、脳の病気や障害などが原因で認知機能が低下し、日常生活に支障が出てしまう状態を言います。認知症を予防するには、脳の健康を保ち老化を防ぐことが大切です。
日常生活の中で身体を動かしたり、頭を働かせたりすることが認知症予防につながる可能性があり、適切な食事も、効果的な方法の一つとしてあげられます。
今回は、認知症予防に効果的な食材や食事方法、注意が必要な食べ物などを解説していきます。すぐに始められるものもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

食事

認知症の予防に料理が大切な理由

認知症は発症してしまうと、根本的な治療法が見つかっていないため完治が難しく、発症をできるかぎり予防することが大切です。

栄養が偏らないようメニューを考えたり、調理の段取りや味付けや塩分量を調整したり工夫するなど、複数の作業を同時に行い頭を使うことで脳に刺激を与えるだけではなく、調理中や洗い物で立ちながら手先や体を動かすのは軽い運動になり、身体機能も維持できます。
そして、食べる順番に配慮したり、歯でよく噛むことで脳に直接刺激を伝え脳を活性化させるなど、食事は身体と脳の健康のために有効なのです。

そのため、自分の食べるものを自分で調理するということは、さまざまな面でメリットに繋がる良い効果が期待できます。

認知症予防に効果的な食べ物

認知症の予防には、毎日の食事に気を配ることが重要です。
認知症予防に効果的な脳や身体に良い食べ物を、毎日の食卓に取り入れて元気に過ごしましょう。

青魚

サバ、イワシ、サンマ、アジなどの青魚は、オメガ3脂肪酸のDHAやEPAが豊富に含まれており、血液中の悪玉コレステロールを減少させ血液の循環をよくしたり、記憶力や判断力の向上、生活習慣予防にも繋がるでしょう。

緑黄色野菜、果物

緑黄色野菜や果物に含まれているビタミンB群の一種である葉酸は、動脈硬化のリスク軽減につながる栄養素です。
また、ビタミンC・ビタミンEも豊富に含まれている野菜・果物を摂ることで、血中コレステロール値を下げたり、健康を維持する働きがある抗酸化作用を高める効果も期待できます。

オリーブオイル

オリーブオイルに含まれているオレイン酸には血中コレステロールや中性脂肪をコントロールしてくれる働きがあり、認知症の原因であるアミロイドβを脳から除去する作用もあり、脳梗塞や動脈硬化の予防に役立ちます。
熱に強く、酸化しにくいエキストラバージンオリーブオイルには、アルツハイマー型認知症の発症を抑制する効果もあるので、様々な調理に利用してみましょう。

コーヒー・緑茶

コーヒーに含まれるクロロゲン酸や、緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールには抗酸化作用があり、アルツハイマー型認知症の原因となるといわれているアミロイドβの蓄積を抑制する効果が期待できます。また、緑茶には前述にもある葉酸も含まれています。
そして、カフェインの利尿作用には、血液中の不要なたんぱく質を排出させる働きもあります。しかし、カフェインを多量に摂取すると睡眠障害やめまいなどの起こるリスクがあるため、適量を守ってお茶の時間を楽しみましょう。

大豆製品

納豆や豆腐、味噌など日本食には大豆製品が豊富です。
大豆に含まれるレシチンは、記憶などの脳機能にかかわる神経伝達物質であるアセチルコリンの原料になり、脳機能が正常に保たれやすくなります。ぜひ積極的に取り入れましょう。

カレー

カレーに含まれるウコン(ターメリック)に含まれているクルクミンは、免疫細胞を活性化して、アミロイドβが脳内にたまる速度を抑える作用があり、認知症予防に役立ちます。
前述で紹介した緑黄色野菜や果物などたっぷり入れて、栄養満点のカレーを作ってみてはいかがでしょうか。

和食

日本の伝統的な食事スタイルである和食は認知症予防におすすめの食事といえます。上記でも紹介した青魚や野菜や大豆製品、海藻などをバランスよく摂取できるため、脳機能の維持に役立つ栄養素を豊富に含んでいます。
和食中心の食事は、脳の萎縮が少なく、認知症のリスクも低いため、海外でも注目されています。

認知症の発症リスクを高める食べ物に注意


認知症の発症リスクを高めてしまう食べ物もあるので、過剰摂取しないよう注意が必要です。
どのような理由でリスクにつながるのか解説します。

肉の脂身

脂身や背脂など、魚以外の動物性の油に含まれる飽和脂肪酸は、血液中の悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化や生活習慣病などのリスクを高める原因となります。そのため、摂取しすぎると脳梗塞や脳血栓などを引き起こす可能性があり、認知症発症のリスクも高めます。
できるだけ脂身の少ないお肉を選ぶようにしましょう。

マーガリン・ショートニング

ショートニングやマーガリンに含まれているトランス脂肪酸を過剰に摂取すると、血中の悪玉コレステロールを増やし動脈硬化などの原因になります。
ファーストフードや菓子パン、菓子類などに使われていることもあるため、多く食べるような食生活は避け、過度な摂取に注意しましょう。また、砂糖や小麦も悪玉コレステロールの増加につながるので、適度な摂取に留めるように、日頃からの心がけが大切です。

過度の飲酒

1日に350mLのビール4本相当を越えるような大量の飲酒は、脳の委縮や認知症のリスクが高まる原因となります。
最近では、たとえ少量の飲酒であっても健康に影響を及ぼす可能性があるという研究結果も出ています。
健康維持のためにはアルコール摂取は控える方が賢明ですが、コミュニケーションを行う上でお酒を交わす機会も多々あると思います。
その場合、お酒だけではなく栄養バランスの良い食事と一緒に、嗜む程度の適量な飲酒を心がけましょう。

認知症予防のための食事方法とポイント


・栄養バランスの良い食事
・適切な摂取カロリーで肥満予防
・糖分、塩分を控える
・食べる順番を意識して、よく噛んで食べる
・自分で調理して脳を活性化

まとめ

私たちが日々口にする食べ物だからこそ、食事に気をつけることが認知症を予防する大きな鍵となります。
認知症予防に効果的とされる食材や食習慣を意識して、積極的に摂取することで、脳を健康に保ち、老化を遅らせる効果が期待できます。生活習慣病など他の疾患の予防にも役立ちます。
そして、人と人とのコミュニケーションの機会としても食事は重要な機会です。楽しくおいしく食事をすることで生活が豊かになります。
食事を通じて、認知症を予防していきましょう。

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