2021年3月31日

住宅ローンを完済後の手続きとは?

マイホームを購入する際、多くの人が組む住宅ローン。長期間かけて毎月少しずつ返済する方もいれば、繰り上げ返済で早めに完済を済ませてしまう方も多いようです。その住宅ローンの支払いが終わったとき、必要な手続きがあるのをご存知ですか?長い期間の住宅ローンを組んでいた方、短期間でも住宅ローンを組んでいた方でも、ローン完済後に実はある手続きをしなければならないのです!そのある手続きとは??では、詳しく説明していきましょう!

抵当権の抹消手続き

ある手続きとは、抵当権の抹消手続きというものです。

抵当権とは?

住宅ローンを借りた人が返せなくなったときに、債権者(銀行など)が優先的に、競売という手続きを経てその物件をお金に換えて返済してもらえる権利です。住宅ローン返済中は不動産の登記簿謄本の権利部「乙区」の欄に、借りていた住宅ローンの保証会社による抵当権設定と記載されます。

抵当権の抹消ってどうゆうこと?

住宅ローンを完済すると、ローンの対象不動産につけられていた抵当権はなくなります。しかし、勝手に不動産登記簿の記載がなくなるわけではありません。ローンを完済し抵当権がなくなっていても、表面上その不動産は第三者から見れば、抵当権がついている、つまり住宅ローンは完済していないように見えるということなのです。登記簿に抵当権という記載をなくすのが抵当権抹消手続きというものです。

そのままにしててもいい?

登記簿謄本なんて、普段あまり必要ないしそのままにしててもいいいと思いませんか?いえ!ローン完済後は速やかに手続きをしておきましょう。

もしそのままにしておくとどうなる?

登記簿上の抵当権をそのままにしておくと、売却するときに抵当権がついたままでは売却できません。いくら完済しているローンであっても、登記簿上ではそれが分からないため、信用がない土地という事になります。

相続が発生したときの手続きが複雑になる

登記簿に抵当権が記載されたまま、その所有者が亡くなり相続が発生すると、抹消手続きは複雑になります。相続人調査や、遺産分割協議において時間がかかる場合など、抹消手続きが滞ってしまう事態も十分考えられます。

別のローンの審査に通りにくくなる

新しくローンを組み借入をしようとしても、既にローンを組んでいるとみなされるので、信用度が低くなりローン審査に通りにくくなってしまう可能性があります。

抹消手続きってどうやってすればいい?

日頃お忙しい方や、手続き方法が分からない方は司法書士に依頼して手続きを行ってもらうと安心ですね。しかし、抹消手続きは自分でも行うことができます。詳しく見ていきましょう。

抵当権抹消手続きの手順と費用

まずは手続きの手順を見ていきましょう

①住宅ローン完済

②借りていた銀行から必要書類が送付されてくる

③必要書類を準備

④法務局に申請

司法書士に依頼する場合
司法書士が全て手続きをしてくれますが、そんなに高額にならないので、依頼しても安心です。

登録免許税:不動産の数1つにつき1,000円 (一戸建ての場合は建物1件・土地1件になります。)
司法書士報酬:15,000円前後
調査費用:手続きのため、対象物件の登記簿を参照するためにお金がかかります。数百円程度
事後登記簿謄本の取得:500円程度

自分で行う場合の手続き
あまり手間がかからない手続きなので、ご自身でも行えます。手続きの流れは司法書士に依頼するのと同じです。しかし、管轄の法務局を調べたり、抵当権抹消登記申請書を自分で準備が必要です。しかし、費用は税金のみになり、リーズナブルに手続きできます。
 
登録免許税:不動産の数1つにつき1,000円 (一戸建ての場合は建物1件・土地1件になります。)
登記事項証明書:不動産の数1つにつき600円(一戸建ての場合は建物1件・土地1件になります。)

①住宅ローン完済

②銀行から送付される必要書類を受け取る

③管轄の法務局を調べる

④抵当権抹消登記申請書を準備する

⑤法務局にて手続き

必要な書類とは?

手続きするには数種類の必要な書類があります。詳しくみていきましょう。

住宅ローン完済後、借りていた銀行から送られてくる書類

司法書士が手続きするにも、自分が手続きするにしても必要な書類です。なかなか聞きなれない書類の名称ばかりですが、一式送られてきます。

・抵当権解除証書または弁済証書
・抵当権設定契約証書(登記済証)
・委任状(金融機関が登記抹消に立ち会わないための書類)
・会社法人等番号
・代表者事項証明書または登記事項証明書(有効期限が設けられています。発行日から3か月を過ぎると無効になります。

法務局のホームページからダウンロード

・抵当権抹消登記申請書
こちらの書類は自分で手続きする場合は自分で準備します。法務局のホームページからダウンロードして印刷して下さい。
>>法務省のホームページはこちら

管轄の法務局を調べる

司法書士に依頼する場合と違って、直接法務局に行く必要があり、物件の所在地によって法務局の管轄が違います。銀行から必要書類が送られてきたら、まずは物件の所在地から管轄の法務局を調べましょう。そして、管轄がどこの法務局調べた後、すぐに直接行くのではなく予約が必要な場合がありますので、よく確認してください。

注意点

ここでは、自分で手続きを行う場合の注意点を見ていきましょう。

銀行から送付されてくる書類の中に代表者事項証明書または登記事項証明書という名称の書類が同封されています。こちらは、有効期限が3か月と設けられています。しかし、法務局で購入することも可能です。

法務局へ行く際は予約が必要な場合があります。ネット予約ではなく、電話予約になります。管轄の法務局のホームページで確認して下さい。

まとめ

住宅ローンの完済後の抵当権抹消手続きについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
司法書士に手続きを依頼する場合と、自分で手続きする場合がありますが、手続きが面倒であったり、時間がない方は司法書士に依頼すると安心ですね!そんなに手続きが複雑ではないので、自分でチャレンジされるのもいいかと思います♪ただ、どちらで手続きをするとしても、ローン完済後に早急に手続きを済ませておくことをオススメします!